STARBAND BLOG
スターバンドブログ
お子さんが昼寝なしで午後を過ごすと、疲れやすくなることを皆さんは経験することになりますので、お昼寝の取り方で色々悩むことも事実です。特にお子さんが、「昼寝をしたくない」と言えば、誰もどうすることもできず、途方にくれることもあります。しかし数週間のうちに調整されていきますので、ご安心ください。
今回はヘルメット着用時の汗のコントロールにも関係するお昼寝を中心にした赤ちゃんの睡眠についてご説明いたします。
子どもの睡眠は、中枢神経系生理機能の成熟と共に発達して、月齢を経るにしたがって1日の合計睡眠時間や昼間睡眠時間も減少し、夜間睡眠時間や持続して眠る時間、覚醒する時間が相対的に長くなります。
月齢によるお昼寝の変化
後ほど一般なお昼寝の変化を記載しますが、子どもの昼寝時間の必要度は子どもの性格により大きな個人差があることも経験されることでしょう。また兄弟間でさえ活動的な意思の強い子どもは、おとなしい兄よりも数ヶ月あるいは数年早く昼寝をやめてしまい、その違いに親御さんは戸惑うことでしょう。
先のことを踏まえていただいたうえで、一般的な子どもの睡眠の年齢変化について次にご説明します。
新生児期
新生児は昼夜と問わず短いサイクルの睡眠・覚醒を繰り返す多相性睡眠で、1日の約70~80%(16〜20時間)を睡眠で過ごします。
〜3ヶ月頃
きちんとした睡眠サイクルが出来上がるのは3-6か月といわれていますので、この時期は赤ちゃんにとって心地よい睡眠環境を作ってあげることが大切です。基本的には夜と同じにお昼寝時間になったら暗くて静かなお部屋に移動させましょう。
3ヵ月頃〜
昼夜の区別が出現し始めます。2〜4時間の昼寝をとり始めますが、4、5ヶ月の時点で1日の大半を眠って過ごすお子さんもいれば同時期でも2〜3回の短い昼寝をとるだけのこともあります。
6ヶ月頃〜
7〜8割の夜間睡眠になり朝寝・昼寝・夕寝の3回の睡眠が確立してきます。起床時に朝日を浴び、日中には体を使った遊びがよい昼寝を誘導します。
9ヵ月頃〜
夜に連続して寝る時間が増えてくる頃です。昼夜の区別がはっきりしてきますのでお昼寝は朝寝・昼寝の2回の睡眠が確立されてきます。
1歳半頃〜
朝寝がなくなっていき、1時間半〜3時間半のお昼寝のみとなることが多いです。寝る前にルーティーンを作ると良いかもしれません。物語をきかせることもよいことでしょう。
3歳〜6歳頃
しばしば3歳前より早く昼寝をやめるこどもいます。特に活発なお子さんは、2歳までに昼寝をしなくなります。なお、遊びに夢中で頑張って、昼寝をしないと夕方に機嫌が悪くなり泣き出したりすることもあります。一方非常におとなしいお子さんは、4〜5歳まで昼寝をやめません。
なお多くは5歳子頃には、昼間はずっと起き、夜は眠るという大人型の睡眠サイクルが完成します。
環境調整で変わるかも?赤ちゃんのお昼寝を最適な環境の作り方
次にお昼寝を上手にとる環境調整についてご説明いたします。
お住まいの地域、建物構造や個人差がありますが、以下をご参考に環境整備をされてください。
赤ちゃんのお昼寝に最適な室温
室温は保護者の方が少し涼しいと感じるくらいにし、赤ちゃんの衣類は大人より一枚少ない調整も有用です。室温は26度(夏)〜20度(冬)が良いとされていますが、赤ちゃんの皮膚の色や汗の量をみながら調整してください。エアコンを使用する場合は風が直接赤ちゃんに当たらないように注意し、サーキュレーターも上手に併用されてください。
赤ちゃんのお昼寝に最適な湿度
日本は湿度の多い梅雨など季節の変化がありますので、時期に合わせて湿度対応を心がけましょう。50~60%が良いとされています。なお加湿器の欠点として、カビの発生やレジオネラ菌の感染の危険性もありますので、使用においては注意が必要です。
赤ちゃんのお昼寝に最適な明るさ
お昼寝は当初はしっかりと部屋を暗くし睡眠を促してあげることをお勧めします。冷暖房等の電化製品のスイッチ等の遮光も大切です。赤ちゃんは光に敏感ですので夜の就寝と同じ暗さにしてください。スマホやタブレットのご使用もお控えください(Media free time &location)一方恐怖心のわく1歳半頃は、暖色系のナイトライトを併用することも必要になりますので、発育と共に明るさの対応に変更が必要になります。
まとめ
体力が十分についていない乳幼児早期には身体を休めるお昼寝の時間が必要です。しっかり脳を休めたらまた活発に刺激を受けることになります。しかし余り長い時間の昼寝は、夜間の睡眠時間に影響しますので、親御さんの生活に合わせることは避けてください。
昼寝習慣が生理的に必要かどうかは、未就学児では年齢による差や個人差が大きく、昼寝の必要度を考慮しないで一律に昼寝を習慣化させることで、夜間睡眠に影響が出ていないかについて、今後さらなる検討が必要にもなっています。米国睡眠医学会でもなるべく夜間の睡眠ができるよう日中のお昼寝は少なくすることを推奨しています。
砂、泥、草木、水のある自然の中で遊び、お昼寝を上手く取り入れ、そして「早寝早起き」の昼と夜の区別を脳がはっきりと認識する育児をされることを応援しております。
みなさんが育児で不安に思うことや疑問に思っていること、星の子だよりで書いてほしいことなどございましたらお気軽にスタッフにお声がけください。
(一部Ronald S Illingworth 著 『The Normal Child』から引用)
かただ小児科クリニック 院長 医学博士
【経歴】
慶応義塾大学病院小児科で初期研修後同大学勤務・東京都立清瀬小児病院(小児循環器・小児麻酔:現東京都立小児総合医療センター)・他慶應小児科関連病院勤務
【講師・委員】
獨協医科大学越谷病院小児科講師・埼玉県立大学看護学科非常勤講師・チャイルドシート検討会委員(日本小児保健協会)ほか歴任
【学会等】
日本小児科学会・日本渡航学会(認定医)・日本小児東洋医学会、日本小児心身症医学会会員ほか
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